[説明会] 500席が満席に!「納得できない!」事業者対応。

会場満席!住民の関心の高さが伺えた説明会

3月8日、仙台パワーステーションによる住民説明会が開催された。一年前のまだ工事がはじまる前から市民が求めてきた説明会だったが、ずっと拒み続け、工事もほぼ終わりになってからの開催である。開催概要がわれわれに知らされたのは、説明会当日のわずか20日前。また一般の人に聞広告やチラシが配布されたわけでもなく、事業者のホームページに載せただけだった。

そんな状況の中、一体何人の人が集まるかという心配は開始前には吹き飛んでいた。開場時刻近くになると、説明会にかけつける人たちの車が列をなし、事業者側が用意していた駐車場の枠があっという間に埋まってしまったのである。奥の駐車場も開けるように伝え、止まっていた車も前に進みだした。そして、開始時刻前には500人の大ホールは満席になり立ち見が出るほどとなった。いかに多くの人が、この石炭火力発電所の建設を心配し、不安に思っているかのあらわれである。

3駐車場に押し寄せる車a
最初に用意されてた駐車場の枠だけでは入り切らず、渋滞する参加者の車両(撮影:川島左右喜)

寒空の下、住民がかかげた「仙台パワーステーションに抗議 被災地を食いモノにするな」「仙台港の石炭火力発電所 住民無視の建設に反対!!」「被災地の空を石炭の煙で汚すな!」のバナーが、何よりも多くの市民の気持ちを代弁しており、「お疲れ様です!」といった掛け声をかけてくださった人も何人もいた。

1 会場前横断幕a
会場玄関でバナーを掲げるメンバー(撮影:川島左右喜)
2ホールで迎える横断幕a
会場入り口でバナーを掲げる地元住民(撮影:川島左右喜)

TVカメラの撮影を終わらせようとした事業者側の対応に住民が激怒

メディア席には、テレビカメラや新聞社が多く集まった。最初の事業者說明ではカメラ撮りされていたものの、事業者が、カメラ撮りは前半のみと伝えたため、会場からは非難の声があがった。議員なども仲介して事業者側に公開を求めたところ、最後は事業者がOKを出した。

7報道陣が立ち上がったa
メディアの撮影をすべきか住民に確認する朝日新聞の森治文さん(撮影:川島左右喜)
10「公開」を迫る県議a
県議や市議も総出でメディア撮影の継続許可を求めた(撮影:川島左右喜)
13報道の自由を守らせた住民 (2)a
メディアの撮影を勝ち取り喜ぶ参加者(撮影:川島左右喜)

 

 

住民からの質問と事業者の回答(概要)

質問表は全部で151問提出されたとのことだが、ここで発表された質問と回答の概要をまとめた。
住民の立場にたってこの質問と回答をぜひ読んでもらいたい。事業者が自分たちの都合だけを考えて仙台を選定し、公共のデータだけを元にして「影響なし」と一方的に判断していることがよく分かる。「考える会」では改めて宮城県や仙台市に対して、行政が間に入った形での公聴会や地域へのきめ細かな事業者説明会の開催を求めていきたい。

◎質疑応答

質問1:火力発電所は公害事業、住民にとって迷惑事業。これからは再生可能エネルギーに転換する時期ではないか。

回答1:仙台港は50ヘルツ東日本地区で、港湾、各種インフラが整備されており、石炭火力にとって非常に適した条件の場所だからです。それぞれ適地がございまして、太陽光は一定量の日射量や広大な敷地、風力は風況、LNGはガス導管の整備が必要。伊藤忠エネクス、関電エネルギーソリューションも電源には留意しており、風力、太陽光、バイオマス、ガス発電など積極的に取り入れている。

質問2:なぜ発電規模が11.2万kWなのか?

回答2:発電の出力規模については、出資している親会社および」電力を購入する予定の関電エネルギーソリューションならびに伊藤忠エネクスの事業規模、営業計画に応じた出力規模を設定している。発電用地や容量、工事計画などを総合的に勘案し、発電規模を検討し、プラントメーカーの標準プラントとして11.2万kWを設定した。

質問3:建設がほぼ終わっているのに、説明会を開くのはなぜか。なぜ工事開始前に説明会を開かないのか?

回答3:弊社はこれまで関連自治体や近隣企業に対して事業計画や環境対策など說明してきた。さらに「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」や地元住民への質問や懸念については環境コミュニケーションの手段として正確に伝えるために文書で答えることを基本としてきました。しかし弊社の事業に不安をいただかれている方が多数いることを認識し、また宮城県や仙台市から公害防止条例にのっとり、地域住民に対する積極的なコミュニケーションをこれまで以上に図ることが必要だとの指導を受けたので、今回この説明会を開催することとした。

質問4:東日本大震災でこの地域は未だに復興途上の地域である。火力発電所の建設で公害の不安や犠牲を強いるものなので、火力発電所の設置は企業モラルに反する。

回答4:いくばくかの環境に影響を与えることは事実だが、現状の環境法令と環境基準を勘案した結果として、基準が設けられ、許認可の中で検証されたものと認識している。事業者としては国民の健康を保護するとともに排出基準よりさらに排出を遵守する。また、大気環境影響予測としては環境基準を大きく下回る結果となっている。

質問5:2017年1月に関西電力は赤穂火力発電所の計画を中止した。関西に発電所をつくるべきだ。

回答5:関西で発電した電気は、50ヘルツの東日本に送るには60ヘルツの周波数の変換が必要で、変換できる量は小さいため、関西電力から大量の電気を東日本に送電することはできない。今後の自由化の進展を踏まえた事業の推進のために50ヘルツ圏における自社電源開発が必要不可欠だと考えた。

質問5:石炭がLNGと同等の発電技術ではないのか?七ヶ浜の発電のように天然ガス発電にすべきではないか。

回答5:一般的には出力規模に応じた最適なプラントシステムが存在する。仙台PSのように10万kW級の発電所は、一般的に亜臨界発電が主流となっており、亜臨界発電についても、大型の超臨界や超超臨界に比べ発電効率は劣るが、蒸気条件や熱サイクルの向上により、本来の機器よりは効率を向上している。東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議で示されているBAT表をふまえると、20万kWクラスの発電設備は亜臨界発電となっており、仙台パワーステーションの技術はそれとほぼ同等の効率となっている。

質問6:亜臨界圧という古い技術だと聞いたがなぜか。

回答6:汽力発電においては、出力規模に応じた最適プラントが存在し、10万kWでは亜臨界が採用されている。従来のタイプよりは発電効率の向上につとめており、熱効率は向上している。

質問7:「被災地のために貢献したい」という說明があったが、そのためには計画の撤回すべきではないか。

回答7:当社としては関係法令ならびに条例等を遵守し、必要な手続きに沿って開発をしているので撤退することはない。

質問8:石炭はなくしていくのが世界の常識、仙台ですすめる理由をわかりやすく說明してもらいたい。

回答8:昨年国連に提出された約束草案、日本のエネルギーミックスをベースに設定した。国のエネルギーミックスは発電量の約26%とされている。

質問9:本日說明されたパワーポイントをホームページに掲載したもらいたい。質問に応える窓口をつくってもらいたい。

回答9:今回の說明資料はこの説明会での理解促進のための補足資料と考えている。一般への配布やホームページの公表は差し控える。

質問10:一日の石炭使用量と石炭灰の量は?

回答10:石炭灰は年間約5万トンの予定。石炭の消費量は年間約30万トンと想定している。

質問11:七ヶ浜町から来たが、七ヶ浜町では仙台で石炭火力発電所ができることを知らない人が多い。七ヶ浜町でも説明会を開催してもらいたい。

回答11:今回の説明会については各自治体にも知らせて開催した。説明会の開場は地域の皆様の利便性および収容人数を考えて開催した。新たな説明会の開催は考えてない。

質問12:石炭灰はどのように処理するのか?

回答12:セメントの原材料として有効活用する予定。具体的には契約関係上最控えたい。

質問13:排出するSOx、NOx、オキシダント、PM2.5、水銀がこの近隣の住民やペット、蒲生干潟などの動植物への影響に責任を追うべき。仙台PSの公害防止協定にある測定、報告、公表に一般に公表するようつとめる、という具体的内容として、①稼働前から排出の基準値だけではなく、大気中、海中の周辺の環境中の汚染状況の測定をするべき。②その数値は住民が納得できるよう明らかにすべき。③少しでも汚染されたら運転を止める。④住民にこれを約束し、文書化しホームページに約束する。これらが約束されない限り絶対稼働すべきではない。

回答13:①稼働前の現状調査は、現在、大気の影響評価の14局について、SOx,NOxなど5項目の測定データを収集している。発電所から半径10kmの基地局でデータを収集している。
②測定データの公表については、環境負荷測定結果については営業運転開始後ホームページにて公開する。公害防止協定値を守れない場合には速やかに運転を停止し、関係行政の指導を受ける。
③約束をどうこうとおっしゃるが、当然我々は指導官庁、環境行政との協議の上、速やかに適切に処理していく。
繰り返すが、「協定値」を持って約束させてもらっている。

質問14:水銀が抜けている。宮城県は漁港が多いが、1970年から2010年にマグロからの水銀が10倍になっている。2013年のネイチャーの研究では、太平洋沖の魚の水銀の濃度が高くなっているのは火力発電所からの排出に影響されていると発表された。今回水銀が入っていないのはなぜか。

回答14:排水の水銀については公害防止協定で設定されている項目以外に水銀も測定した。有機水銀については測定されないこととしており、法律の規制値を十分遵守するものとなっている。

質問15:なぜ宮城県仙台市に発電所をつくろうとしているのか?関西ではないのか?「適している」とは何が適してるのか?

回答15:関電エネルギーソリューションと伊藤忠エネクスでは、東日本エリアでは石炭火力の適地を調査してきた。その中で、仙台港については工業専用地域にあること、港湾設備が整備されてること、造成された地域が樹木の伐採などが必要ないこと、十分な排水能力のある工業用水が整備されていること、高圧の送電線があることなどから極めて石炭火力の立地に適した土地と判断した。東日本エリアで極めて魅力的な土地だった。

質問16:事業者が自分たちでアセスをしようとしない中で、住民が自らアセスをしなければならないという気持ちがある。地域で喘息やアトピーの持っている患者さんたちに、ピークフロー調査をしようという計画がある。ただし、6月から試験稼働するということだが、調査には稼働前に1年かけて調査したい。それで影響が本当にあるかないかを検証したい。そういう住民自らのアセスに対して、稼働を延期して我々がやることを保障していただきたい。

回答16:予測評価では発電所からの影響は十分小さいという結果が出ているので、住民の健康被害の影響は十分緩和されていると考えているので、運転を延期する考えは全くない。

質問17:多賀城の測定が出てないのはなぜか?公共のデータがないから測定していないというのはおかしい。

回答17:今回の現況調査では公共データを活用するということで対応した。アセスについても各地域ごとの測定ではなく半径20kmの以内の測定を用いることで十分說明ができると考えている。今回はじめての説明会だが、近隣企業には說明をしてきた。住民説明会は法的に義務付けるものではないので、文書による回答によるコミュニケーションをしてきた。宮城県と仙台市のさらなる環境コミュニケーションとの指導の下、今回説明会を開催した。住民説明会という形にこだわらず様々な手法で対応する。

質問18:わざわざ被災地の仙台に石炭の電気をつくる意味は何か?

回答18:被災地を狙い撃ちでつくったわけではない。震災以降、電力自由化の中で、我々がベースロード電源をつくろうと考えた中で、石炭火力の建設に適した用地であり、少なからず我々の投資が港湾の復興につながるのではないか。法令を遵守することで関係各所と相談し開発の決定をした。

質問19:今日の説明会は、宮城県民への大きな不安を与えていることへのお詫びからはじめるべきではないのか。お詫び、反省の言葉一つないのはなぜか。

回答19:われわれは適法に処理をしている。今回の事業は事業者としての立場で說明しているということだ。

質問20:行政のデータしかない。現時点では条例でアセスを求めている。なぜ自主アセスをしないのか。関西電力、伊藤忠商事の子会社の社会的責任ではないか。

回答20:行政データを活用した大気影響評価で事業の環境影響を評価した。アセスは、必要な大気のシミュレーションは実施し、その結果を下に判断した。

質問21:アセスしない限り住民の不安は収まらない。被災地を金儲けの道具に使うことは断じて許されない。それが、関西電力や伊藤忠商事のビジネスのやり方なのか。

回答21:金儲けの道具にするという考えはない。様々な経済波及効果もあるので地元へのメリットもある。

質問22:公害防止協定には、水銀、PM2.5、CO2が指定項目として含まれていません。なぜこの項目を含まないのか。

回答22:公害防止協定には水銀がないということだが、七者協議会との協議の結果についてそのようになった。その他項目については公害防止協定にはないが、その前提である、水質汚濁防止法などに基いて適切に処理する。

質問23:国際的にも重要な渡り鳥の休息の場所蒲生干潟の影響調査をなぜやってないのか?

回答23:(回答なし)

質問24:粉塵の影響を受けやすい多賀城、発電所がつくられていることを知らない住民がたくさんいる。小学校が9つもあり、18もの学校がある。自主アセスで説明会を10回もやっている県もある。中立的な公聴会やきめ細かな地元説明会の開催を求める。

回答24:地元説明会は、事業者の說明と口頭での質問時間をある程度とった。十分だと考えている。今後の地元の説明会開催については、今回で広範囲に渡る方への說明とする。地元自治体の要請があればどういう形が適切か議論する。

質問25:こんなに命がけで住民が反対していて、嫌われる会社にどんな得があるのか。よっぽどうまい汁があるんじゃないかと思わざるを得ない。愛される会社になるために地元の人と仲良く暮らせる社会にした方がいい。建物ができてから説明会やって一回でおしまいなんてとても信じられない。町内会の魚屋さんも肉屋さんもみんななかよく暮らしている。稼働するのは延期できないとか、相当偉い立場なのだと思うが、誰とも相談しないでそんな答え出していいのだろうかと普通の主婦は思う。

回答25:貴重な地元の方のご意見として今後の運営の参考にする。

14石炭火力の罪を説くaa
住民を見方につけて事業者に質問を投げかける長谷川公一共同代表(撮影:川島左右喜)

*当日の様子を動画で撮影されたものも残ってますので、ぜひこちら通してご覧ください。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中