【緊急プレスリリース】被災地・宮城を石炭火力発電銀座にするな

本日、以下のプレスリリースを発表し、宮城県記者クラブにて記者発表を行いました。

緊急プレスリリース
被災地・宮城を石炭火力発電銀座にするな

2017年3月16日
仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会

 さる3月14日、四国電力と住友商事は、共同で、宮城県仙台市の仙台港における石炭火力発電所の建設計画を発表した。

事業者らは、今回の建設に関して、1)環境アセスメントを実施する、2)バイオマス混焼型である、3)最新の設備を備える、4)2回住民説明会を開催する、などを発表している。このような一見丁寧な説明や配慮は、1度も記者会見を行うことなく、地域住民をことごとく無視してきた仙台パワーステーション(関西電力と伊藤忠商事の子会社との合弁事業)に対する住民による激しい抗議を目のあたりにしたことが影響していると考えられる。その意味では、私たちのこれまでの活動が一定の効果を持ったとも言える。

しかし、仙台パワーステーションも、今回の四国電力・住友商事の事業も、大気汚染物質、温室効果ガス、重金属などを排出する石炭火力発電所を、仙台市・多賀城市などの市街地や蒲生干潟のきわめて近くに建設するという意味では同じ根本的問題を抱えている。東北電力の新仙台火力発電所が天然ガス火力に転換した2007年以降、宮城県には1基の石炭火力発電所もなかった。震災を契機に、石巻市南浜地区に建設中の「石巻雲雀野発電所1号」を含め、県内に石炭火力発電所が集積しようとしている。今後も、第4・第5の石炭火力発電所建設計画が浮上してくる可能性がある。宮城県では電気が余っており、今回の事業者らも首都圏への売電を前提としている。まさに、県外の企業によって、首都圏のために、土地の値段が安い被災地が狙い撃ちにされ、汚染施設や迷惑施設が次々と集積していくという、私たちが最も恐れていた事態が現実化しつつある。まさに「電力自由化時代の鬼っ子」というべき憂うべき事態だが、「利益は域外に、電力は東京に、汚染とリスクは東北に、責任や賠償は次世代に」という、基本的には原発立地と類似した、汚染施設集積の構造となっている。しかも、ベースロード電源として原発とともに石炭火力を重視する国策のもとで、被災地の住民が生活環境悪化や健康不安に怯えざるをえないというあり方には、福島原発事故の避難者が現在直面している問題とも類似した側面がある。

このような石炭火力発電所の集積は、私たちが望む震災復興のあるべき姿からは大きくかけ離れたものであり、仙台市民および宮城県民として到底許せるものではない。

バイオマス混焼型であっても、石炭火力発電所の新設は、東北における再生可能エネルギー事業などの発展を阻害する可能性が高い。石炭火力発電所は稼働中の要員も少なく、雇用効果や本県に対する経済効果もきわめて限定的である。

将来世代に対して、私たちは招かれざる石炭火力発電所の相次ぐ新設計画をどのように説明することができるのだろうか。

3月8日に開催された説明会でも、多くの住民から環境アセスメントの必要性ときめ細かな説明会の開催の必要性が指摘された。私たちは、仙台パワーステーション株式会社に対しては、1)2月17日の県議会定例会で採択された請願をふまえた、県・事業者・住民・有識者による公正な「公聴会」の実施、2)きめこまかな住民説明会の開催、3)環境アセスメントの早急な実施と、環境アセスメントを実施するまでの試運転の停止を強く求める。

四国電力と住友商事に対しても、建設計画の撤回を求める。

このような相次ぐ石炭火力建設の事態に至った大きな責任は、仙台パワーステーション株式会社との間に、PM2.5や水銀、CO2を規制項目に含めず、自主アセスメントを求めることもなく、緩やかな公害防止協定を実質わずか2ヶ月程度の短期間で結んでしまった宮城県や仙台市にある。政令市である仙台市の市長には、開発行為等に関する許認可の権限がある。仙台パワーステーションの認可にあたって、仙台市が何を根拠に、どのような判断をしたのかが厳しく問われている。

宮城県知事や仙台市長は、被災地の住民に対して、県民・市民に対して、石炭火力発電所の相次ぐ新設計画をどのように説明するのか。仙台パワーステーション株式会社および四国電力・住友商事による石炭火力発電所建設計画に対して、住民の環境とくらしを守ること、蒲生干潟の生態系を守ることを第一に、厳正な姿勢で対処することを求める。

国の環境影響評価法は2013年度から、計画段階配慮手続及び環境保全措置等の結果の報告・公表手続が施行され、事業実施段階前の手続きとして「配慮書手続き」が求められるようになった(第二種事業(11.25万kWから15万kW未満の火力発電所)については任意)。「配慮書手続き」では、ゼロオプション(建設しないこと)を含む複数案の検討、生態系を「場」としてとらえることなどが求められている。しかしながら、宮城県環境評価条例(2012年12月改正)および仙台市環境評価条例(2012年12月改正)は、2013年度の国の環境影響評価法改正に対応しておらず、ともに「配慮書手続き」を欠いている。そのため、今回の四国電力・住友商事もいきなり、事業実施段階の「方法書手続き」から環境影響評価手続きを開始している。宮城県環境評価条例および仙台市環境評価条例が国の制度から大きく立ち遅れているという制度的な不備を、事業者側は容赦なく突いてきているのであり、宮城県知事と仙台市長はこの点についても猛省し、ともに計画段階配慮手続を含む形での環境影響評価条例の改訂に早急に取り組む必要がある(添付ファイル参照)。

仙台パワーステーション株式会社は、3月8日の説明会で示された住民の不安や疑問にもかかわらず、本年6月より試運転開始、10月より営業運転開始を予定している。3月8日の説明会では、多賀城市の住民から、多賀城市内に大気汚染の観測点がないことに対して、強い不満が表明された。試運転開始前後、稼働開始前後の環境への影響を精確に評価するために、大気汚染体制の拡充を緊急に図ることが不可欠である。宮城県と仙台市に対して、近隣の七ヶ浜町、塩釜市、多賀城市、仙台市東部(中野、高砂、福室、七郷)の観測点を拡充し、SOx、NOx、Ox、PM2.5、炭化水素のすべてについて測定できるようにすることを緊急に求める。

 

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