蒲生干潟に新たな暗雲:仙台港に石炭火力発電所(蒲生を守る会だよりNO.67より)

蒲生エリアを見守り続けてきた「蒲生を守る会」の「蒲生を守る会だより」(NO.67 2017年6月15日発行)から、仙台港の石炭火力発電所問題に関する記事を紹介します。

蒲生干潟に新たな暗雲:仙台港に石炭火力発電所 佐場野裕

(一部抜粋)

東日本大震災で大きな被害を被った蒲生干潟も、震災から6年の年月を経て、ガンカモ類・シギチドリ類などの水鳥は、震災前よりも多く見られるほどの賑わいを見せるようになりました。また、干潟の周りでは、ようやくアシの小さな群落やコウボウムギ・ハママツナなどの海浜植物も少しずつ確実に増えてきています。このような自然の回復力に驚きながら、どのような姿に移り変わっていくものなのか、期待を込めながら観察を続けているところです。

ところが、進行中の防潮堤工事の他に、この蒲生干潟にとって心配される新たな問題が生じています。関西電力と伊藤忠商事のそれぞれの子会社が共同出資して設立された「仙台パワーステーション」なる事業者により、干潟の北に隣接する仙台港に、時代遅れの石炭火力発電所が建設されているのです。建設の場所は干潟から北西に約800メートルという距離です。計画通りに建設されれば、煙突から排出される硫黄酸化物、窒素酸化物、煤塵等を含む煤煙の直撃を受けることは明白です。特に、冬季に気温の逆転層が生じた場合には、煙は拡散せず、発電所の周りに滞留することが予想されます。水深の浅い干潟の環境では、とりわけ大きく出ることが考えられます。

蒲生干潟は、満潮時に入る海水と七北田川の淡水が混じった汽水域という独特の環境にあります。そして、この汽水環境を利用する小さな底生生物が砂泥の中に無数に生息していて、汚れの成分である有機物を食物として取り込み、水を浄化する役割をしています。つまり、干潟は天然の浄化槽でもあるのです。さらに、小さな生物はより大きな生物の食物となり、最終的には、これらを鳥類が食べることで干潟の有機物が除去されています。また、こうした食物連鎖によるエネルギーの受け渡しがあって、シギチドリ類などの渡り鳥は、数千キロメートルを超える地球規模の移動ができるのです。

このような自然の中の絶妙なつながりとバランスとが総体となって地球の生態系を形成し、私たち人間を含むすべての命を支えていることを考えれば、蒲生干潟の役割はとてつもなく大きいものです。蒲生干潟に火力発電所の煤煙が立ち込める事態になれば、その影響はどれほどのものになるのは計りしれません。

通常、自然環境に影響を及ぼすことが予想される事業には、環境影響評価(アセスメント)が課せられるものですが、今回は、計画の出力は11万2千キロワットで、法の定める実施基準の11万2千5百キロワットをぎりぎり下回ることで逃れています。しかし、建設申請の2ヶ月後(2016年5月)に改定された仙台市の条例での基準は3万キロワットになりました。法の網をかいくぐるような事業者の態度には、企業の社会的責任やモラルは微塵も感じられません。

全文はこちらからご覧ください。

 

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