【声明】市民の声が四国電力の撤退表明をもたらした!住友商事も早期撤退を決断せよ!

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声明:市民の声が四国電力の撤退表明をもたらした!住友商事も早期撤退を決断せよ!

2018年4月11日

           仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会・共同代表
長谷川 公一
明日香 壽川

 四国電力株式会社が昨日(仮称)仙台高松発電所の建設計画からの撤退を表明したことを歓迎する。住友商事株式会社は単独で継続するとして、昨日段階では、なお事業化を諦めてはいないが、完全撤退となれば、2012年以降、日本全国に50基の石炭火力の新設計画があった中、既に4基が撤退に追い込まれているので、仙台高松発電所は5基目の撤退例となる。

四国電力(株)は昨日のプレスリリースの中で、「十分な事業性が見込めないとの判断に至ったこと」を撤退の理由としているが、事業性が見込めない事情や条件等は、住友商事(株)においても同様のはずである。住友商事も、四国電力の英断に学び、本発電所を被災地・仙台港に建設することの矛盾と困難さを真摯に受け止め、地域住民や仙台市民の不安や苦悩をいたずらに長引かせることなく、早期に完全撤退を表明するよう、ここに強く求める。

同発電所の建設計画は、仙台市の条例にもとづく環境影響評価の準備書段階を迎えていたが、調査項目の追加など、仙台市環境影響評価審査会で厳しい注文が相次ぎ、当初の予定から約1年進捗が遅れていた。

同発電所は、被災地仙台港に、震災を契機として、主に首都圏に売電するために建設される2基目の石炭火力発電所である。本事業には、震災後長期にわたって苦難を余儀なくされてきた近隣住民が、さらに操業開始後約40年にわたって、大気汚染による健康被害、地球温暖化による気象災害、地域の環境のシンボルである蒲生干潟への水銀などの重金属降下による悪影響などに脅かされるという何重もの理不尽さが本質的につきまとっており、「災害便乗型ビジネス」だとして住民の強い批判を受けてきた。

同発電所から5km圏の人口は、宮城野区・多賀城市・塩竃市・七ヶ浜町を含んで約15万人であり、宮城野区の人口の約27%、50,838人が5km圏に住む。5km圏には小学校15校を含め計32校の学校が所在し、東北医科薬科大学病院、うみの杜水族館など医療機関や集客施設も数多く所在する。

本事業に対する仙台市環境影響評価条例に基づく方法書への意見書の提出期間(2017年 3 月 14 日から 4 月 27 日(消印有効))までに示された意見書は、235通、意見総数386であった。同市の環境アセスメントにおける意見書としても、全国的に見た石炭火力発電所に対する意見書としても、異例に多く、そのほとんど全ては批判的な意見が占めた。昨年4月2日から私達が開始した「杜の都を「石炭の都」にするな!緊急署名」にも、約4万8000筆もの署名が集まった。

私たちが仙台パワーステーション株式会社を被告として昨年9月に提訴した操業差止訴訟にも、124名もの地域住民が原告に参加している。四国電力はプレスリリースで、「十分な事業性が見込めないこと」を撤退の理由としているが、こうした市民の石炭火力発電所立地への広範な反対の声の大きさこそが、今回の四国電力の撤退表明の直接的な第一の要因だろう

CO2の排出や大気汚染の相対的に少ないLNG火力の場合にも、静岡市の清水港近くに予定されていたLNG火力発電所の建設計画の白紙撤回をJXTGエネルギーが決定したと報じられている(2018年3月25日付け日経新聞ほか)。

今回の四国電力の声明も、電力需給が緩み、LNG価格が低価格で安定する中、石炭火力発電所の建設が今や完全に公共性や経済性に乏しい迷惑施設化しており、地域の合意のない発電所の建設は計画撤回に追い込まれざるをえないことを示している。

また、こうした市民の声を背景に、仙台市環境影響評価審査会でも、追加の調査項目などについて、委員から厳しい注文が付き、昨年8月に奧山市長(当時)の意見書でも、相当厳しい意見が表明されていたことも、今回の撤退の大きな要因として挙げられる。

特に、郡新市長のもとで、昨年12月1日から即日施行された「杜の都・仙台のきれいな空気と水と緑を守るための指導方針」で、仙台市として石炭火力発電所の新設を抑制するとの批判的な姿勢が示され、「低炭素型で自然と共生する良好な都市環境を守り抜いていく」ことが宣言されていた。今回の撤退表明は、仙台市の環境影響評価の仕組みや「杜の都・仙台のきれいな空気と水と緑を守るための指導方針」が有効に機能したことを示している。

四国電力の撤退表明は、市民の力の勝利であるとともに、郡新市長のもとでの仙台市の環境行政の具体的な最初の成果とも言える。

さらに、2015年12月のパリ協定締結後、とくにこの1年の間に、仙台市のみならず、国内外で急速に高まってきた石炭火力発電所への批判的な動き、各石炭火力発電所の環境影響評価における環境大臣の度重なる批判的な意見表明、世論、メディア報道の影響を指摘できる。

石炭火力発電所の新設はパリ協定に矛盾し、気候変動対策に逆行する。最新型の天然ガス火力に比べ、石炭火力発電所は、二酸化炭素の排出量が倍以上多い。日本全国に46基ある石炭火力の新設計画が全て実現すると、2030年度に、13年度比で26%削減という、パリ協定で約束した日本の削減目標の達成が危うくなることから、環境省も強い危機感を持っていた。

そして、昨年9月提訴した仙台パワーステーション操業差止訴訟を皮切りに、12月には神戸製鋼の石炭火力計画に対する公害調停が始まるなど、司法に救済を求める動きが日本の他の地域にも広がりつつあった。

最後に、今回の四国電力の決断を踏まえて、住友商事が撤退を早期に最終的に決断することをあらためて強く求める。あわせて、この決断が、仙台港におけるレノバ社による木質バイオマス火力発電所の建設計画、そして昨年10月から稼働中の仙台パワーステーションに対する行政の指導、被告・仙台パワーステーション株式会社の私達の訴訟への対応、裁判所の判断などにも大きな影響を与えることを期待する。

また仙台のみならず、日本における他の石炭火力発電所の建設計画においても、それぞれの事業者が、仙台の事例を大きな教訓として真摯に受け止め、事業の見直しや撤退を早期に決断することを私たちは強く求める。

 

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