石炭火力発電所問題(蒲生を守る会だよりNO.68より)

蒲生を守る会だよりNO.68(2018年8月2日)に、仙台港の石炭火力発電所問題について掲載されましたのでご紹介します。

石炭火力発電所問題 中嶋順一

*蒲生干潟近くに石炭火力発電所
 仙台市宮城野区の七北田川河口に蒲生干潟があります。その北どなりが仙台港です。この仙台港は1960 年代に工事が進められ、蒲生干潟の半分以上を埋め立て、1971 年に開港しました。現在仙台港に石炭火力発電所が稼働しています。昨年の秋(2017 年10 月1 日)から本格稼働を開始した石炭火力発電所「仙台パワーステーション出力11.2万kW(キロワット)」(以下仙台PS)は、着工に至るまで地元住民との合意形成を全く行うことなく、まるで水面下で静かに計画されました(蒲生を守る会だより No.67. 佐場野 2017)。気候変動などを問題視している方々による工事計画開示請求により着工が判明しました(2016 年3 月)。

しかし、なぜこのように大きな施設が水面下で計画されたのでしょうか?それには発電所の能力である出力11.2 万kW に仕掛けがありました。当時仙台市の条例では11.25 万kW 以上の発電施設に対して建設前に付近の自然環境への影響を調べる、環境影響評価(環境アセスメント)<以下、アセス>の実施義務が開発事業者に対して課されていました。しかし、仙台PS の計画出力がアセス義務より0.05 万kW 少ない為にアセスを免れた訳です。仮にアセスを実施した場合は、計画が公になるので住民も自然への影響や自分たちへの影響について意見する機会などが与えられたはずです。しかし、それは建設側としては計画の遅れや金銭的負担が増える事などによって歓迎されないのでしょう。

ところで経済産業省の電力調査統計によると電力需要は、年々下がっています。背景に東日本大震災後の電気料金の上昇や効率化の進展などに伴い、旧一般電気事業者と新電力等をあわせた販売電力量はわずか5 年(2010 年~2015 年)で9.6%も減少しました(図1)。今後、国の査定よりも需要が低くなる試算もあります。つまり電力は余ってゆくのです。政府は原発休止状態だから石炭火力発電所という論理で、2014 年エネルギー基本計画では石炭火力発電所を国のベースロード電源に位置付けています。「原発か、石炭か」のような論理です。しかし、原発メーカと石炭火力メーカが同一であることから、企業保護的な政策ではないかという意見もあります。 

gamouwomamorukaidayori_no68_figure1

<図1:日本における石炭火力新増設のビジネスリスクより>

 

石炭火力発電は他の火力発電システムに比べて環境への影響が大きいので問題です。特に二酸化炭素など温室効果ガスの排出量は飛びぬけて大きく、石炭中に含まれる水銀の大気中への排出も大きな問題です。中でも仙台PS の場合、公害は宮城県に電力は東京都へという経営も地元の反感を買っています。

蒲生を守る会としても、蒲生干潟に隣接する石炭火力発電所である事に加え、地球規模での環境汚染に対して問題意識を持って反対運動を続けています。

*運転差し止め訴訟
 2017 年9 月27 日に運転差し止めを訴え、近隣住民を主とする原告団124 名で仙台地方裁判所に提訴しました(「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会 https://stopsendaips.jp/)。蒲生を守る会は訴状の作成で環境パートを担当しています。

続きはこちらからご覧ください。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中