仙台・石炭火力発電所計画の問題

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蒲生干潟の希少生物や渡り鳥、
大気汚染と子どもたちや喘息疾患者、
地球温暖化、PM2.5や水銀汚染…。

東京に売る石炭の電気を被災地でつくるのですか?

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仙台パワーステーションの建設計画

仙台パワーステーション株式会社は、関西電力株式会社の100%子会社である株式会社関電エネルギーソリューション伊藤忠エネクス株式会社の100%子会社であるJENホールディングス株式会社との共同出資により設立された会社です。現在、仙台港で石炭火力発電所の建設工事を進めていますが、環境アセスメント法に基づくアセス対象規模(11.25万kW以上)をわずかに下回る設備容量(11.2万kW)であるため、環境アセスメントを行っていません。また、地域住民への説明もないまま、既に着工しています。

建設地のすぐそばには、東日本大震災から奇跡的に復活した蒲生干潟があり、たくさんの希少な生物が戻ってきています。さらに周囲4km圏内には小中学校や様々な商業施設があり、仙台・多賀城市民の生活拠点が広がっています。

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石炭火力発電所が稼働すれば、地域住民の健康、蒲生干潟をはじめとする生態系、被災地の復興、地球温暖化などに様々な影響が考えられるため、1年以上前から市民の連名で事業者側に説明会の開催を求めてきました。しかし、その回答は残念ながら「その必要はない」というものでした。仙台パワーステーションは2017年10月から操業開始と発表しています。環境問題や健康被害に不安を抱く市民とのリスクコミュニケーションも行わないまま建設を進めていることは大変大きな問題です。

仙台パワーステーションの事業者説明会、3月8日(水)18:30より、夢メッセみやぎで開催!
事業者の説明を聞いて、意見を伝えよう!詳細はこちら

Q:仙台パワーステーションは何が問題なの?

A:石炭を燃料とするので、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじん、PM2.5、水銀、CO2 などを多く排出し、環境や健康へのリスクがあります。また、環境アセスメントを実施せず、住民への説明も一切ないなど、事業者の対応にも様々な問題があります。

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Q:小規模火力発電なのにそんなに大気が汚染されるの?

A:今でも、窒素酸化物(NOx)、オキシダント、PM2.5 は存在しており、そのような状況に仙台パワーステーションのばい煙が追加的に付加されることになります。

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クリーンさを取り戻した宮城の空気

宮城県には、かつて石炭や重油を燃料とする東北電力の火力発電所がありました。東北電力は、2005 年から2014 年にかけて石炭・重油から環境負荷の少ないLNG やガス火力に転換しました。この転換に対応するように、県内の過去の二酸化硫黄(SO2) 濃度監視情報をみると、2006 年頃からSO2 濃度は低下傾向になっていることがわかります。

再び汚してしまいかねない

2016 年9 月のデータでは、県内各地点SO2 はほぼゼロレベルになっています。しかし、車や工場煤煙などによる、窒素酸化物、オキシダント、PM2.5 は存在しており、特にPM2.5 は濃度が環境基準を超える時もあります(グラフ参照)。

1980 年代はじめまでは粉じんで汚れていた仙台の空が、スパイクタイヤの追放でクリーンになったことを記憶している方々も多いでしょう。昔に比べてせっかくクリーンな空気が戻ってきた宮城県に再び石炭火力発電所が建設されれば、また空気が汚れてしまう心配があります。

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Q:大気汚染の健康影響はどのくらい深刻ですか?

A:全国の小・中学生の間で増え続けているぜん息の主な要因は大気汚染であり、仙台パワーステーションの近くには小・中学校も多く、その影響が心配です。

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気象条件で変化する大気汚染の流れ

仙台パワーステーションでは、32 万トンの石炭が使われることとなっていますが、石炭の種類は明らかにされていません。石炭が褐炭の場合には、硫黄0.673%が含まれるので、年間2153 トンの硫黄を燃やすことになります。

様々な気象条件下でどのような環境汚染を引き起こすか、住民は精緻なデータに基づいた厳密なシミュレーションと説明を求めています。

環境省の資料は、仙台パワーステーションのような設備容量が10 万kW 前後の方が濃度および最大着地濃度が高くなっていると報告しており、右図のe. いぶし型のような気象条件になったときの健康影響が懸念されます。

肺胞や血管にも侵入するPM2.5

PM2.5 は、粒子径が2.5 μ m 以下の微粒子状物質で、PM10 と比べてもさらに微細なので排煙脱硫装置も通過しやすいと言われています。微細であることから肺胞や血管にも侵入し、短期ばく露による急性影響、長期ばく露による慢性影響が、それぞれ死亡および呼吸器系疾患、循環器系疾患、急性心筋梗塞のリスクが高まると言われています。

今でも環境基準を超える時も

仙台パワーステーションから約3km のところにある中野小学校のPM2.5 のモニターでは、いまだに1 日平均の環境基準35 μ g/ ㎥を超える時があります。石炭火力は、この状態に、さらに塵埃を負荷することになり、子どもたちへの影響が懸念されます。

仙台パワーステーションの事業者説明会、3月8日(水)18:30より、夢メッセみやぎで開催!
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Q:蒲生干潟にも影響が出ますか?

A:蒲生干潟は仙台パワーステーションからわずか800 m南に位置します。貴重な自然がどうなるのか、事業者が環境アセスメントを行っていないのでわかりません。発電所からの汚染物質の排出により、生息する生物への影響が心配されます。

蒲生干潟は、北側には仙台港、西側には養魚場、南側には七北田川をはさんで南蒲生下水処理場が立地しています。人為の影響を様々に受ける環境ですが、渡り鳥が多く飛来するところとしても知られており、市民の憩いの場として親しまれています。

東日本大震災に伴う津波で、海と潟湖の間にあった砂洲が破壊されましたが、3ヶ月後には再び砂が堆積し、以前と同じような蒲生潟の形が再生されました。潟湖内に溜まっていた軟泥は津波で運び去られ、ヨシ原だったところが新たに干潟になったことで砂質干潟は以前よりも広がりました。

震災前には100 種ほどが記録されていた底生動物(貝やカニやゴカイの仲間) は、震災直後に減少したものの、その後回復してきており、震災後2015 年までに合計で124 種が確認されています。希少種の多くも姿を見せるようになったものの、カニ類のハマガニ、トリウミアカイソモドキなど数種は消えてしまったままです。しかし、巻貝類のフトヘナタリ、ヨシダカワザンショウやカニ類のアカテガニの生息が確認されるなど、全体的に見て蒲生干潟の底生動物の多様性は保持されています。こうした底生動物の回復は、これらを餌にしている魚や水鳥たちの飛来にとっても大事なことです。

仙台パワーステーションは、この蒲生干潟からわずか800 m北に建てられる予定です。事業者側は一方的に「影響はない」としていますが、その根拠となるデータは明らかにされていません。

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Q:小規模でも地球温暖化への影響は大きいのですか?

A:仙台パワーステーションから排出されるCO2 は年間約67 万トンもあります。約20 万世帯の家庭からのCO2 排出量に匹敵します。これだけ大量のCO2 を長年排出し続けることは温暖化をさらに進めてしまいます。

地球温暖化は人類の生存をおびやかす喫緊の課題

地球温暖化問題は人類が直面している中でも最も大規模で、最も急激な対処が求められる課題です。人間が化石燃料を燃やしてCO2 を大気中に放出してきたことが原因で、地球の平均気温が急激に上昇しています。地球温暖化は、北極海や氷山の海氷、熱波や集中豪雨、干ばつ、台風の巨大化などを引き起こすといわれ、すでに世界各地で異常気象が頻発しています。日本でも平均気温が上昇し、熱波や集中豪雨などによる異常気象が多発しています。石炭など化石燃料を燃やせば、確実に大気中のCO2 は増え、地球温暖化を加速させることになります。

仙台パワーステーションのCO2 排出係数は大型火力発電よりも大きい

仙台パワーステーションの発電設備は11.2 万kWですが、この規模は「亜臨界圧」という1950 年代の効率が悪い旧式の技術が使われ、年間約67万トンと非常にたくさんのCO2 を排出すると考えられます。これは、一般家庭の約20 万世帯分の排出量に相当します。

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Q:事業者の対応は何が問題なのですか?

A:環境アセスメントを条例でも行っていなかった仙台市を狙い撃ちして建設計画をすすめ、住民が求めても説明会の開催すら応じず、建設工事を開始してしまいました。

仙台パワーステーションの石炭火力発電所建設計画は、法律に則って実施されているため、問題はないと事業者側は説明しています。しかし、排気ガスによる健康影響、蒲生干潟への影響、地球温暖化に対しての影響など様々な問題が予測されます。法律に則っていれば何でもやってよいというのは乱暴ですし、そもそも法律がなかったのが問題です(仙台市は、仙台パワーステーションの工事を認可した2 ヶ月後に小規模火力発電にも環境アセスメントを義務付ける条例を制定しました)。

問題1:環境アセスメント逃れ

国の法律では、「環境影響評価法(環境アセスメント法)」の中で火力発電設備を建設する際には、周辺への環境影響調査や住民への説明やリスクコミュニケーションを図ることが義務付けられています。しかし、その対象が、火力発電事業の場合は11.25 万kW 以上で、仙台パワーステーションはわずかに下回る計画で、環境アセスメントを逃れています。仙台市は国の法律とは別に条例で環境アセスの対象を定めていますが、火力発電事業はこれまで対象になっておらず、仙台パワーステーションの案件が浮上して工事を認可した後に、制度を導入しました。今後は条例に基いて環境アセスメントが行われますが、仙台パワーステーションには適用されません。

問題2:不十分な住民への説明

結局、環境アセスも行わず、地元への告知がないままに2015 年9 月工事を開始しています。事業者は告知をしたと言っていますが、工事開始6 ヶ月後に自社HP にわずか本文12 行のお知らせが掲載されただけです。環境省の「小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン(2016 年3 月)」や、宮城県や仙台市など7県市町と事業者が結んでいる公害防止協定でも環境コミュニケーションの必要性がうたわれています。自らが結んだ公害防止協定に反する事業者の対応は極めて問題です。

問題3:被災地への汚染施設集積

仙台パワーステーションの親会社は関西電力です。県外の事業者が被災地を狙い撃ちして、発電設備をつくり、作った電気は首都圏に売電すると報道されています。復興支援と謳ってはいますが、他地域よりも低品質・高環境負荷の汚染施設が被災地に立地することになり、「汚染施設建設に頼る復興」の悪しき先例になります。

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仙台パワーステーションの問題がまとめられたリーフレット

仙台パワーステーションの問題がわかりやすくまとめられたリーフレットを、次の画像クリックでどなたでもご覧いただけます。

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