仙台パワーステーションがウェブサイトを公開しました

2017年2月14日、仙台パワーステーション株式会社がウェブサイトを公開しました。

住民に対して説明もないまま着工し、1年以上たってようやく計画について説明するウェブサイトを公開するというのがまずもって不誠実な対応といえます。

しかし、このウェブサイトの内容も問題だらけです。

仙台パワーステーションのウェブサイトでは、次のように説明されています。

宮城県では、東日本大震災からの復興を成し遂げるために策定された、「宮城県震災復興計画」に基づき、産業復興の取り組みが進められております。このような背景のもと、当社は、小売電気事業者に電気を供給するとともに、「富県宮城の実現」 ならびに「ものづくり産業の復興」 に貢献することを目的として、高効率かつ環境に配慮した石炭火力発電所の建設を致しております。

しかし、この説明は実態とかけ離れています。

Q:宮城の復興のための事業なのでしょうか?

A:いいえ。利益は東京・関西の企業に流れていきます。また、宮城の復興は、重大な汚染排出を伴うビジネスによって進められるべきではありません。

仙台パワーステーションの親会社は、関西電力の子会社である関西エネルギーソリューション株式会社と伊藤忠グループのエネクス電力株式会社。現在、仙台パワーステーションの本社の所在地は東京です。

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Q:ほんとうに高効率なのでしょうか?

A:いいえ。途上国でも造るべきでないとされる、1950年代から存在する、旧式の「亜臨界圧(Sub-C)」と呼ばれる技術に相当します。

石炭焚きの火力発電設備は、蒸気圧力と温度が高ければ高いほど高性能です。仙台パワーステーションが採用しているのは、圧力と温度が高くない、「亜臨界圧(Sub-C)」と呼ばれる技術であることがわかっています。

経済協力開発機構(OECD)は、途上国向けに亜臨界圧の公的支援を制限することに合意しています。途上国でも導入すべきでないとされる旧式の技術を採用して現在建設中なのが仙台パワーステーションなのです。到底、「高効率」とはいえないことがわかります。

Q:環境に十分配慮されているのでしょうか?

A:いいえ。他の燃料とくらべて石炭の汚染がひどいのは当然ですが、国内にある石炭火力発電所の中でも、特に仙台パワーステーションの汚染排出濃度は悪い数値になっています。しかも、汚染排出に係るデータを隠した時期がありました。

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(出典)仙台PSと名古屋第二:工事計画書。磯子新2号:電源開発資料。

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